元里子たち

元里子のリンちゃん!
東京大学大学院 博士号取得おめでとう!
結婚おめでとう!

ベトナム子ども基金の元里子で、日本に留学していたチャン・ゴック・リンさんが、ベトナムへ帰国する前に事務所を訪れくれました。里子の履歴票や手紙の翻訳など、ボランティアでベトナム子ども基金の活動を手伝ってくれていました(リンちゃんの活動は通信No.39、No.41、No.48号に掲載)。私たちは「リンちゃん」と呼んでいました。たいへんな努力家で大きく成長されたリンちゃんの帰国はうれしい反面、さみしいです。帰国後はベトナムの国の研究所でお仕事をされるそうです。 また、会員でもありボランティアもしてくださっていた坂井裕樹さんと結婚、5月1日にベトナムで結婚式が行われました。いつまでもお幸せに!

リンちゃんのプロフィール

■ 北部ナムディン省出身。
■ 2001年中学2年生から高校3年生までベトナム子ども基金(青葉奨学会)の奨学生。 高校(化学専攻)卒業後、ドンズー日本語学校の留学プログラムに参加し、8カ月間日本語を勉強。
■ 静岡に留学。2年間、日本語を学ぶ。
■ 東京工業大学工学部国際開発工学科 入学。発展途上国のインフラ整備のプロジェクトを工学系で管理することを学ぶ。
■ 東京大学大学院 化学システムエンジニアリング 2018年 博士課程修了。化学系プロセスの設計/運営、掘削、配管、エネルギー交換など、天然ガスを取り出すプロセスについて研究。稲わらからバイオエタノールを作る課程で、後に役立つものを取り出す。バイオエタノールと融合させ、稲わらをより有効なものにする。特許申請中。
■ 高校のときから化学を専攻していたので大学でも化学を学びたかったが、東工大の化学の学科は不合格となり、国際開発工学科に入学した。大学院では化学を学びたくて化学システムエンジニアリングを選んだ。
■ 家族
母、兄、姉(父は2歳のとき他界)
母親がバインクオン(蒸し春巻き)を作って売ることで生計を立てていた。
当時の収入は、5,000円/月以下 経済的にたいへん厳しい家庭環境で育つ。
■ どうして日本に留学したのか
高校卒業後大学に入学すると母親の負担になるので早く自立し、働きながら大学へ行きたかった。その頃ドンズーの留学プログラムがあることを知り、アルバイトしながら勉強できると聞いた。高校2年生が終わった夏休みに里親が訪ねてきてくれて、日本に親しみを持っていて行ってみたいと思った。
■ 日本での生活費
静岡の日本語学校時代:八百屋さん兼お弁当屋さんでアルバイト まかないがあったので助かった。
大学時代:4年間弁お当屋さんでアルバイト 60,000~70,000円/月
奨学金
大学1、2年 50,000円/月
大学3、4年 120,000円/月
大学院修士課程 180,000円/月
大学院博士課程 国費留学生
■ 日本での生活で最も苦しかったこと
一昨年の冬、研究の結果を出し、実験しながら発表しなければならなかったこと。
■ 日本人のよくないところ
働きすぎ。
■ 11年間を振り返って
楽しかった!後悔はない。忙しすぎて、体はつらいときもあった。お世話になった方たちに帰国のごあいさつに行っているが、この方たちが心のよりどころになる。この方々とのご縁を大切に、自信を持って挑戦していきたい。

元里親・今井幸恵さまより

リンちゃん、博士号取得・ご結婚おめでとうございます。
2005年6月ナムディンで初めてリンちゃんに会ったとき、リンちゃんは小柄であどけなさが残る高校生でした。昼食にバインクオン(蒸し春巻き)をごちそうになった後、家の近くの湖へ一緒に散歩に行って、リンちゃんが手をつないできてくれたのをよく覚えています。
日本に留学してからは、私の誕生日にケーキを焼いてきてくれたことがあります。アルバイトをしているお弁当屋さんのオーブンを、アルバイトが終わった後使わせてもらったと言っていました。アルバイト先の店長さんに感謝するとともにリンちゃんはいい人たちに囲まれているのだな、と思いました。
日本にいる間、つらいこともあっただろうけれど、リンちゃんはいつも笑顔で勉強は楽しいと報告してくれました。本当によく頑張りましたね。これからはベトナムでの生活が充実したものになることを祈っています。そして今度はベトナムでの再会を楽しみにしています。

 

交流は続く!
里親さま、夢をかなえることができました!
感謝の気持ちでいっぱいです!

クインさんは孤児院で育てられました。頑張って勉強して大学を卒業し、現在は小学校の教師として活躍しています。里親の近藤玲子さんとは、学校を卒業した後でも手紙のやりとりが続いています。

クインさんからの手紙

里親さま!
里親さまからのお手紙を受け取って、私は本当にうれしく、すぐにお返事を書きます。
里親さま、相変わらずお元気ですよね。私はいつも里親さまがお元気でいらっしゃることを願っています。今、私は小学校の教員です。教え始めて2年になります。教えている学校は、住まいの近くにあるので通勤には便利です。里親さまがおっしゃったように、私は自分の夢の通りに小学校の教員になりました。これを実現するために、私は本当にたくさん努力しました。教育という仕事はかなり大変で、本当に仕事を愛し、子どもたちを愛していなければ、長く続けることはできません。私も、仕事にストレスを感じたり、すごく落胆したり、自分には難しく、この仕事を長く続けることはできないだろうと感じることもあります。けれど、自分の選んだ職業を続けるために、頑張って困難を乗り越えています。私はいつも幼い子どもたちの教え方、子どもたちの素直な成長を手助けする方法を研究しています。そして、それができたとき、誇らしく、とても幸せを感じます。きっと、これが教員の最大の成功なのでしょう。そして、それこそが、もっと頑張って仕事に取り組む原動力です。
 里親さまは、小学校3年生の女の子の支援を続けていらっしゃるそうですね。私は里親さまの仁愛の心を見習いたいです。そして、私が勉強をしていた長い間支援してくださった里親さまに感謝しています。心から深く感謝申し上げます。
 里親さまが送ってくださった写真を拝見しました。里親さまはとても穏やかで誠実なお顔ですね。私も里親さまに写真をお送りします。この写真は、今年の始業式のときに撮りました。
 終わりに、里親さまがいつもお元気で、本当にお元気で、お幸せでいらっしゃることをお祈りします。ご家族の皆さんにもお元気でお幸せにとお伝えください。

ヴァン・トゥー・クィン

レ・ギ-さんの訪日

2014年は私にとって忘れることのできない年となりました。ベトナム子ども基金を通して教育援助をさせていただいたレ・ギ-さん(通信57号参照)が、オーストラリアで会計検査官として活躍していて忙しい中、秋に初めて私どもを訪れてくれたからです。
たった1週間の日本滞在でしたが、私どもは彼女にできるだけ多く日本の習慣や文化に触れてもらえるよう努力しました。私どもの小さい家に泊まった彼女が「初めて日本に 来たのに実家に帰ってきたみたい」と言ったのがとても感動的でした。

木塚晴夫

レ・ギ-さんからの手紙

Download (PDF, 3.54MB)

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