ベトナムの子どもたちとのふれあい

あなたが里親になったら

里親基金(年額1口20,000円)に参加して支援会員になると、 1口につき里子が一人紹介されます。里子になる子どもたちは、ベトナム青葉奨学会の厳しい審査で選ばれます。経済的に貧しい家庭に育ちながらも向学心のある子どもたちです。支援会員の手続きが済むと、里子に決まった子どもの家族の状況と学校の成績等が記された履歴票、子どもが里親宛に書いた自己紹介の手紙が送られてきます。

筆まめな方は・・・

里子への手紙はいつでも何回でも出すことができます。指定の送付窓口へ送ると、そこでベトナム語訳を付けて里子に届きます。ベトナムの郵便事情もあり、遅れることもありますが、必ず子どもの手に届くように努力しています。里親からの手紙はとてもうれしいもので、子どもたちの励みとなります。

筆不精な方でも・・・

大丈夫です。里子からは毎年1回前年度の成績や家族の現況を記した履歴票とともに、里親へのお礼の手紙が届きます。里親からの手紙がなくても里子たちは感謝することを決して忘れません。でも、日本の絵葉書に一言「がんばれ! 応援しているよ」と書いて出してあげれば大喜びです。

里子たちの家庭は貧しく子どもたちも家族や生活のために働かなければならないことが多いのです。里子(ベトナム青葉奨学生)になることで得られる奨学金は、貧しい家計の助けとなります。そして、子どもたちは何よりも安心して学校へ行けることを喜び、熱心に勉強します。ベトナムの人々は本当に家族を大事にします。里子たちは日本の里親を本当の親のように敬い、日本の家族のことをいつも気にかけています。同じように、日本から遠いベトナムに思いを馳せる小さな家族が増えるのは、すてきなことだとは思いませんか?

スタディーツアー

スタディツアーでは里子の家庭や学校を訪問して里子やその家族と交流することができます。また、ベトナム青葉奨学会は地方の青葉奨学生(里子)を北部、中部、南部に招待しサマーキャンプを行うことがあります。このサマーキャンプに参加すれば多くの里子達と交流を楽しむことができます。

里子訪問

スタディーツアー以外でも、個人的にベトナムを旅行などで訪れた際に里子に面会することも可能です。里子への連絡や通訳のお手伝いをいたします。

 

里親の記事

 

里子の結婚式に招待されました

元里子のグエン・アン・ダオさんの結婚式に招待され、4年ぶりにベトナムを訪問。中学1年から6年間、彼女を受け持ちました。その間まめに手紙をもらったのですが、確か2度ほどしか返事を出さず、ちゃんと返事をもらえないのかと後で言われました。奨学金が励みになったようで、最後には学校で1番になったとの便り。ところが受験した大学を両方とも落ちてしまい、期待を裏切って申し訳ないと今度は悲痛な便り。こちらも楽観していたので心配になり、初めて会うことに。あまり思い詰めないようにと、通訳を介してアドバイスしました。

戦争がきっかけでベトナムに関心があり、カルチャーセンターでベトナム語を少し習ったのですが、発音が難しく諦めてしまいました。でも、それが後々役に立つことになります。1年後、彼女が大学生になってから次々とベトナム語のメールが来るようになり、辞書を使えば大抵読めるようになりました。話す方はカタコトですが。こちらからは英語です。あちこち怪しげな英語だったと思いますが、彼女は100%理解できます。こんな感じで今まで150回以上メールのやりとりをしたでしょうか、それでお互い打ち解けた関係になったと思います。

さて、こちらの結婚式ですが、日をおいて3回(婚約式、花嫁が実家とお別れする式、新郎家に迎えられる式)もあります。驚きました。出席したのはお別れする式だけですが、日が落ちてからしか始まりません。交通の便が悪かった時代、遠くに住む親類をおもんばかってのことと聞きました。昔はいったん嫁ぐと実家になかなか帰してもらえない女性もいて、ときに涙、涙の式になったといいます。この式は親類縁者だけで行います。つまり、自分もその一員として扱われたわけで感激。夜のそんな厳粛な式と対照的に、朝の8時から夕方までずーっと宴会です。生バンドにカラオケ機器、それに出張アイスクリーム屋さん。早朝から村中の人200人以上(?)入れ替わり立ち替わりやってきて、おしゃべりやごちそうに次ぐごちそうを楽しんだはずです。男に限っていえばほとんど無礼講で、自分は朝からの強い酒で午後2時頃には酔いつぶれてしまい、ハンモックで3時間ほど昼寝をして、夜の式に臨むことになりました。

最近はメールのやりとりが少なくなり、寂しく感じていたのですが、今回本当に楽しい経験をさせてもらい、ベトナムとの関わり合いをこれからも続ける意を新たにする良い機会になりました。

(金城清喜)

里子を訪問して

ベトナムの人々の最大の魅力は笑顔だと思います。日本ではむっつりしている私も、すぐに影響されて笑顔になります。2018年3月8日に里子のフィンさんを訪問しました。初めて会うのでとても楽しみにしていました。通訳をお願いしていたドンズー日本語学校に学ぶフンさんが来てくれました。これまで何度かお世話になった青葉奨学会のレイさんも来てくれました。2人とも若くて元気いっぱいで、そしていつも笑顔です。車で里子の住むロンアン省カンユオック郡ドンタイ村に向かいます。フンさんとレイさんと運転手さんは初対面のはずですが、ずっと話し続けて3分間に1回は爆笑します。たいへんな盛り上がりです。私には話の内容は分かりませんが、一緒に笑ううちにすっかり仲良くなりました。

ドンタイ村は、本当に何もないところでした。田んぼと畑、民家、雑貨店、学校。ほぼそれだけです。高層マンションが建ち並ぶオシャレ都市のホーチミン市とは全く違います。小学校に行って、まず校長先生や役所の方々にごあいさつをしました。校長先生は謹厳で、笑顔は全くなし。フィンさんの家庭の事情について説明を受けました。

フィンさんは小学校3年生で、父親が病死した後に母親と本人は父親の家から追い出され、母親の実家に戻った。しかし村では全く仕事がないので、病気がちの祖母と3人の生活は非常に厳しい。

通訳のフンさんはこの話を聞いて、さらに奨学会の書類を読み、「こんなかわいそうな子どもがベトナムにいるなんて」と涙ぐんでいました。高度経済成長から取り残された田舎の現実は、ベトナム人ですら知らない場合があるというのは本当のようです。

フィンさんとの交流は自宅ですることになりました。まずお母さんがあいさつをしてから、本人にもあいさつをするように促しました。いつも感心するのですが、こういうときにはベトナムの子どもは非常にきちんと礼儀正しいあいさつをします。ところがフィンさんはうまく話せません。そのうちぽろぽろと涙を流し始めました。すると、謹厳な校長先生をはじめとする大人たちが慌てて彼女の周りに集まって、「おおよしよし、いい子だ、いい子だ、大丈夫だからね、頑張ってあいさつしようね、泣かないでね」と言いながら(ベトナム語なので私には分かりませんが、状況からはっきり分かりました)、頭をなでたり手を握ったりあやしたり、懸命に機嫌を直そうとするのです。謹厳な校長先生も今や慈愛に満ちた笑顔で「おおよしよし」を必死でやっています。私は感動しました。こういう経験ができるから私はベトナムにはまっているのだな、ということをはっきりと自覚しました。観光旅行ではこういう普通の人々の普通の気持ちが表れた姿を見ることはできません。ベトナム子ども基金のおかげでこういう感動を体験できるのです。感謝です。しかもこの感動は、外国人の珍しい行動に感動したのではなく、日本人がかつて持っていて、次第に失ってきたものがはっきり形になって現れたのを目撃したことによる感動です。実際、私が幼い頃には子どもが泣くと周りの大人はこうやってなだめたものです。それは子どもに甘いなどという次元ではなく、小さな子どもに対する大人の文化的な反射行動です。家族だけでなく近所のおじさんおばさんまで集まってきてあやしたものです。しかし現代の日本ではこうした光景はほとんど見ることができません。他人さまの子どもが泣いているのを真剣になだめたら、おそらくむしろ不審がられるでしょう。なぜでしょうね。

フィンさんはようやく泣きやんで気を取り直しました。すると大人たちはさっと身を引いて、何事もなかったかのような顔をしています。校長先生も謹厳な表情に戻りました。すると彼女は「本日はわざわざ来ていただき本当にありがとうございました。おかげさまで私は一生懸命に勉強しています。これからもどうかよろしくお願いいたします」というような大人びたあいさつをきちんとすることができました。これは通訳してもらいました。まだ少しべそをかいていますが、立派なものです。誰かが「どうして泣いちゃったのかな?」と聞きました。すると「緊張したし、死んだお父さんを思い出してしまった」と言うのです。私を見てお父さんを思い出したというのですから、私もなんとか「里親」の役割を果たしたことになります。じーんと感動しました。名誉なことです。

帰りのハイヤーでは私も含めて4人が何だかすごく仲良くなってしまいました。フィンさんのおかげで強い連帯感が生じたのかもしれません。とてもハッピーな気持ちになり、「みんなで遅い昼食を食べてから解散しよう」ということになりました。最高にうまい店を知っているというフンさんの提案で、大きな屋台店に入りました。ちなみにフンさんは「屋台店」のことを「道路の食堂」と表現しました。自分で発明した日本語でしょうか。本当においしくて、4人とも非常に満ち足りた気持ちになり、別れを惜しみつつ笑顔で解散しました。ベトナムは素晴らしいです。笑顔こそが私の出会ったベトナムです。

(道又 爾)

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